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午前三時の月あかり

亀梨和也君と日常ごと。木皿泉さんの事なども。

映画「俺俺」感想その2

MAQUIA連載「亀カメラ」より


オレ、演じる役や仕事によって、自分を図形みたいにイメージして身体をつくるの。「俺俺」とか「東京バンドワゴン」みたいに普通の男子を演じる時は丸い体型、野球の時は四角で、アイドルの時は尖った三角(笑)。

という亀梨君のテキストを読んで、確かに均は丸かったなあと思いながら俺俺の亀梨君について改めて書きたくなりました。感想というか映画のパンフレットやオーディオコメンタリーの内容について。


私は野ブタを見てまず俳優として亀梨君のファンになりました。なんかいい表情をするな、雰囲気のある人だなと。その後色々なドラマで主演を演じていくのを見て、影のある役や感情を表に出す演技は突出して良いけどそれ以外の何気ない普通の演技はまだまだだなとも思ってました(偉そうでごめんね^^;)。


普通の役を普通に演じると空気みたいに思える時もあって、普通の人を主役としての存在感を持たせながら演じるって大変なんだなと改めて思ったりもしました。


ベムは普通の人どころか妖怪人間ですし(笑)、俺俺もまた33役というからには特異な役が多いんだろうなと思ってましたが、その俺俺ではメインでありながら一番普通の均の演技にとにかくもうびっくりしてしまって。今まで見た事のない表情が次から次へと出てきてそれら全てが自然で凄く凄く良かったんです。


ハンバーガーショップのシーン(本物の大樹の携帯を盗むところ)のオーディオコメンタリー部分、

三木 「均は亀梨さんの顔が普段とは違うんですよね。明らかに。こんなに顔って違うもんなのかと。割と初期の撮影だったと思うんだけど。既にもうこの時点で普段の顔とは全く違う均の顔になってるのは凄いなと思いました。」


亀梨 「僕も普通に普通にというか。普段仕事やる時はどっちかといえばクッと力を入れてて。どんだけ力入れないかっていうところを均の時は意識しました。」

というコメントもありましたが、まさにその携帯を見ながら何か考えてる表情をみて一番最初に「おおっ!」と思ったのでした。


あと三木監督もお気に入りの表情とおっしゃっていましたが、大樹の家で大樹の写真の顔が自分の顔になって驚いてる所とか、サヤカの夫の声が小さくて「すいません。ぜんっぜん聴こえないんですけど」と言う所とか。ほんと面白い。上手いなーと。


均は姿勢も腰から曲げるようにして猫背気味でお腹もわざと出すようにしてたそうで、だからかメイン3人のうちで(同じ人が演じてるにもかかわらず)一番身長が低かったですし、歩き方も全部変えていましたよね。共演の加瀬亮さんも、亀梨君の歩いている後姿だけでメイン3人のうちの誰かが分かってしまい役者として脅威を感じたとおっしゃっていました。


給水塔の見える階段を駆け上がっていくシーンが最初と最後にありましたが、これは撮影初日に一緒に撮ってるとコメンタリーで言ってました。ダメな自分と成長した自分を初日に撮ったそうで、


亀梨 「その変化をほんの10分くらいで作らないといけない。」
三木 「1ヵ月半くらいの旅の先にある顔をしないといけない。」


と。俺山のシーンもまとめて最初の方に撮ったそうで、いわば変化前と変化後を最初に撮ってその後その途中経過を撮って行ったんですね。切り替えがとてつもなく大変そう...


均の事ばかりですが、今まで見た事ない顔といえば大樹が一番でした。カフェで均と話す大樹の表情とか、3人が初めて会う駅前の大樹の表情とか。あとナオが俺を一人削除してきたと俺山で言った時の「溝の口か」と言う大樹とか。クールキャラでもかっこつけ成分が皆無の何考えてるのかわからないつくりもののような顔。


亀梨君も、大樹は無表情を更に極めて自分でやっておきながら段々蝋人形みたいに見えてきたそう(そりゃ怖いわ笑)。三木監督もだから大樹は段々と気持ち悪くなっていったというような事をおっしゃっていました。コメンタリーで。


俺俺は上野耕路さんの音楽も素晴らしくて、サントラとしてちゃんと発売して欲しかったです。ブルーレイの特典につけるだけじゃなくて。運命の変わり目に流れるメインテーマ曲とも言える「俺の罪」や「バトる俺(ゴルトベルク)」「殺戮の俺」「死んでいる俺」などただただ圧倒されるんですが、なんといっても女性ヴォーカルの「Kyrie eleison (主よ、憐れみたまえ)」が好きです。


この曲が流れるシーンもいいんですよね。均と大樹が別れるシーン(コメンタリーでここが均のある意味完成形と亀梨君が言ってました)から電車でトンネルをくぐり、均目線で風景を追っていき最後に均が鏡越しに見える。讃美歌のような美しい曲と声と最初の頃とは別人のような何かを決意した均の表情がとても良いです。


パンフレットより(映画の感想はと聞かれて)

上野 「映画として面白いのは勿論なのですが、亀梨君の演技がすごかった!これから先、相当な俳優になるんじゃないかな。それとやっぱり彼自身もミュージシャンだからか、いろんな音楽をつけても恥ずかしい感じには絶対にならないんですよ。音楽だけが浮くということがないんですよね。」


三木 「亀梨君は音楽と親和性がある上に、その役柄としてちゃんと映画の画面に存在することもできる。ものすごい可能性がある人だと思うのですが、さらに出世した時にもう二度と三木組の現場には来てくれない気がして、それが心配です(笑)。


そういえば大奥に出演した聖君も主演の堺さんから、


「彼は最初から最後までずっと京都弁なので、それは大変だと思います。ただ、彼は音楽をやっているだけに耳が良く、聞くことで耳コピできるみたいで。僕はそれができないので、すごいなと。」


と、そして中丸君も去年の主演ドラマ、変身インタビュアーの憂鬱で三木監督から、


三木 「共演者によると、中丸君はリズム感がいいんだろうと言ってました。役者があるセリフを言う場合、セリフとセリフの間にセリフを落としていくという感覚があると思うんですけど、中丸君はそのリズム感がすごくて、気持ちいいとこに落ちていくと。

−中略−

ボイスパーカッションとかを含めて、日常的にリズムに対するセンスがあるんでしょうね。そのリズム感については彼と初めて共演した人の何人かも言っていたし、僕が見ていても感じるので、彼に備わっているものなんだと思います。」

というコメントをいただいていました。


「いろんな音楽をつけても恥ずかしい感じには絶対にならない」というのは逆もあるのかなと思いました。亀梨君だけじゃなくてKAT-TUNみんなですが。


KAT-TUNてソロPVを見れば分かりますが、一人一人が物語を背負った演出が良く似合うというか。演劇的とは違うかもしれませんがドラマや映画的なものを音楽やパフォに無意識に持ち込んでいるな、一人一人にそういう要素があるのかなと思う時があります。


だからライブのド派手でドラマティックな演出も似合うし恥ずかしくならないし、ゴージャスな衣装に負けてない、火や水だって操っちゃうぞみたいな(笑)。ビジュアルだけのせいじゃないとずっと思ってきました。他のグループにない個性もそこじゃないかと。


話が逸れました。


俺俺は色々な国で公開され三木監督も各メディアのインタビューを受けたそうですが、そこで良く聞かれたのが「あのキャラクター(亀梨君)はどうやって見つけてきたんだ?なぜああいう事が出来たのか?」だそうです。


特典DVDより

三木 「どうやって見つけてきたんだってよく聞かれましたね。外国のメディアの人には。ああいう風にキャラクターをスイッチしていくみたいな演技方法論てもうちょっと言えば、それも記事に書かれたんだけどロバート・デ・ニーロとかああいうタイプの演技の切り替えじゃない。だから亀梨君のあのスイッチしていく感じの芝居というのは外国の人にとっては新鮮だったという印象は受けましたね。よく聞かれたんで。


彼はエンターテイナーであり、J-POPの歌手であり、コメンテーターでありパーソナリティーでありドラマの俳優である。それを日常の中で常にそういう事をスイッチしていく彼の感覚を映画の中で活かそうと思ったということを説明したんですけど。それ凄い納得してましたね。」

コメンタリーより

三木 「亀梨さんのキャラクターを演じ分けるという演劇的な方法以外のスイッチしていくやり方みたいなのが凄い鮮度がありましたよね。


普段はドラマとか映画とかの時にはそういう(キャラクターを演じ分ける)お芝居だと思うんだけど、今回はそのチャンネルじゃないチャンネルを使ってくれたのがこの俺俺にある種のリアリティをもたらしたんだろうなと思いました。」

オーディオコメンタリーが凄く面白くて、一見意味のないシーンに思えて実は重要な意味があったり(例えば洗濯機おばさんのシーンはあそこで確実に電気を消して鍵を閉めた事を印象付ける為にあるとか)、やたら均が殴られたり蹴られたりするけれど、誰が均に触ったかというのを手掛かりに見て行くと色々分かるとか、あちこちに出てくる液体についてとか、内容についてももっともっと書きたいんですが長くなるのでこのへんで。また別に書けたらいいな。


なんかただ誉めてるだけのブログになってしまいましたが(笑)、私が手放しで絶賛出来る作品はめったにないのでたまにはいいですよね^^;