午前三時の月あかり

亀梨和也君と日常ごと。木皿泉さんの事なども。

KAT-TUNという夢を見ている

 

 

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ライブのパンフレット(左)と、KAT-TUNのオフィシャル・ピアノ・スコア(右)と銃型ペンライト。

 

KAT-TUNの充電前のライブに行ってきました。東京ドーム、4月29日と最終日の5月1日。ブログを書くのが久しぶりなので文体が統一されてないけど自由に書きます。ライブの雑感と充電について。どうしても亀梨君中心になってしまうけど。ライブDVDが発売されたら曲ごとの感想をもうちょっと書くかも。

 

最終日に上田君が「最後の出航だー!」と叫んだ時「そうか、これでしばらくライブはないんだ」と実感(それまでは「出航だー!」だった)。

 

GOLDのイントロが流れる。メインモニターには海賊旗と荒れ狂う海と稲光り。噴き出す水。客席はペンライトの紅い海。嵐の中の出航なんてKAT-TUNらしいな。

 

レポで読んでいたけど本当にステージには3人だけ。バックのJr.もダンサーも生バンドもなし。巨大な船のセット。特効はいつもと比べるとやっぱり控えめかも。でもUNLOCKなど使う所では惜しみなく使う。色とりどりの照明、蜘蛛の巣のように張り巡らされたレーザー、炎、花火、水。

 

3人だけでライブをする事については、亀梨君がラジオで、

とにかく今回この10Ksというのは、自分は絶対3人でやるんだという所からスタートして始まって、結果的にその形がすごくメンバーも納得してくれたし、ファンの方達も凄い喜んでくれたので良かったなと思いました。

 と話していたので、発案は亀梨君なのかな。

 

シューイチのライブ密着で中丸君も、

今回はダンサーさんとかはつかないんですよ。3人というグループをストレートに伝えるためには、3人で全てを作ったほうがいいんじゃないかという意見が出まして。

 と話してました。

 

普通、人数が減ればバックで補おうとするじゃないですか。どんなに個々に力のある人でも、登場でまず「少ない」と思われたらマイナスからのスタートじゃないですか。KAT-TUNが6人の時だってバックがついていたし。それをKAT-TUN史上最も少ない「ステージにいるのが3人だけ」という状況で、それでも全く物足りないと思わない、ドームが広いと思わない、そんなステージを作り上げた3人の覚悟と度胸と実力を誇らしく思いました。


歌は勿論生歌。ずっと踊ってるのにそれでもブレない歌。ずっと歌ってる。すごいすごいすごい。私がこのライブで一番びっくりしたのが歌の安定。


去年のライブ “9uarter” とぜんぜん違う。 “9uarter” は、ど派手(これはいつもの事)で何でもありのお祭り騒ぎのようなライブで、すっごく楽しくてすっごく好きだったけれど、歌の部分では不満もあった。けれど、今回は全くなかった。ゼロ。


特に亀梨君はよく声が出てるし伸びるし、踊ってもブレないし。2日間ともそう。本当に歌が上手くなったんだなと嬉しかった。


あと、亀梨君と言えばMOON。このブログ名の元にもなっている小説に「午前三時の月あかりが一番赤い」という言葉が出てくるんだけども、MOONという曲はそんな感じ。魔の月が昇る。でかい。ぬうぅっと映し出された月がとにかくでかい。女性詞だからか、月のものから連想される血のいろ。長襦袢の緋色。そんなイメージ。

 

MOONはそれぞれマイクスタンドに着物を羽織らせ、女性に見立てて歌うという演出。それを亀梨君は、唇を寄せるわ手でなぞるわ押し倒すわ最後は覆いかぶさるわで。そうなったのは東京からだそうで、29日の東京初日はドームのどよめきが凄かった。なんだ何が始まったんだっていう。どよめきから悲鳴のような歓声に変っていって...


29日の方はちょっと物狂いのようでぞくっとした。禍々しいほど美しくて残酷なもの。DVD撮りはこっちが良かったな。1日はねっとりエロス。夢魔のよう。ファンは火に焼かれると分かっててもそこをめがけて飛んでくる羽虫かもしれない。KISS OF DEATHという言葉が思い浮かんだけど、この言葉の由来って「ユダの死の接吻」なんですね(今知った)。

 

このMOONについても亀梨君はラジオで、

MOONは俺もなんでこんな流れになったか覚えてないんだよね(笑)。もともとマイクスタンドに着物を着せてっていうのは自分が言って。あの曲は和の印象があるから。かといって衣装で和を着るのは中々難しかったので、じゃマイクスタンドに着物を羽織らせてみるのはどうですかってことでスタートして。最初着物屋さんみたいに綺麗にパシッと着物が飾られたんだけど『もう崩しちゃって!雰囲気があればいいから』って言って崩して。で女性に見立てて。テンション上がったんでしょうね。初日やったもんだから2日目3日目もやった方がいいなと思ってやったんだけど。初日はテンションあがったんでしょうね。あんまり記憶ないんだよね。なんで自分があの流れにしたのか(笑)。

 と話していて、この人の発想力、自己演出力は凄いなと改めて。そして記憶がないというのも納得できるくらいなんか憑いてた。29日は。

 

ちなみに上田君はマイクスタンドをかついで歌い、中丸君はマイクスタンドを放置して歌ってたそうだけど、亀梨君しか見ていなかったのでライブDVD出たら確認します(ごめんね)。

 

歌に関しては上田君も今までとは声の出し方が違うみたいに強い声が出ててびっくりした。3人の声質だとどうしても亀梨君の声が強くなってしまうと思っていたけど、この声があれば大丈夫かもと思えた。GOLDやTHE D-Motionで中丸君の低音が聴けたのも大きいかも。

 

RAYはバクステで一塁側、正面、三塁側と三方に分かれて歌い、正面が上田君。ナイス配置。RAYは私にとっては上田君の曲なのです。歌もいいけどダンスも良い。自由に踊る上田君を見て、振付師がアーティストの自由を奪っちゃあダメなんだなあと改めて思う。ちょっと人を食ったように踊る。茫然とペンライトを振るファンをせせら笑うかのように踊る。

 

1日の私の席はちょうど正面の上田君と三塁側の中丸君の間だったので、上田君と中丸君を交互に見てました。中丸君のダンスもちょーかっこいいんですよ。上田君のダンスとはまた違う細かくて指の先まで意識の行き届いたダンス。

 

STAR RIDERでレーザーを操るダンスも良くて。手を交差させたり、細かく動かしたり、ああいうダンス得意だし好きなんだろうな。自分の手の美しさを分かってるのかなあ。分かってるんだろうなあ。これで猫背さえ治れば... と思わずにはいられない今日この頃。かっこいからこそ思う。

 

上田君と中丸君のダンスを交互に見ているうちに、初めてロバ丸にシンメを感じました私。すっごい今更でごめんなさい。シンメとはいくら仲が良くてもステージ上でパフォーマンスとして正しく機能していないと魅力を感じなかったんですよ。正しく機能とは対という事。今回は上田君がよく踊ってたからかな。並んで踊っていたわけでもないのにすごくシンメ。ビジュアルのバランスもいいし。

 

フロートに乗り肩を組んで歌うKAT-TUN最後のシンメ、ロバ丸。もう一方のフロートには最初にシンメを失った亀梨君。鼻の奥がツンとなりながらも3人てそういう数字なんだなと寂しく思いました。誰かコンビになるともう1人がぼっち。そういう今まで気にならなかった部分が気になるようになるんだね、アイドルは。シンメと絶対的エースで分かれるのは自然なのかもしれないけど寂しい。

 

中丸君は最初声が少しきつそうだったかな。でも、いつも最初は力みがちな歌いだしで、だんだんこなれて良くなっていく印象だったけど、今回はそれほど力みを感じなかった。どなたかの感想で、テクニックでカバー出来る歌い方になってたとあったけどそうかもしれない。

 

さっきも書いたけど、中丸君はGOLDやTHE D-Motionの低音が素晴らしくて中丸君の低音担の私は大いに喜びました。GOLDで歌った時の歓声はすごかったな。皆さん低音好きよね分かります。THE D-Motionでも赤西君のパートを元verのまま歌って嬉しかったし凄く良かった。

 

THE D-Motionで花道を練り歩くKAT-TUNのかっこ良さは6人の頃から変わらない。

 

4人のKAT-TUNが四神だったなら3人のKAT-TUNは三神でしょうかね。三神一体。なんて言葉を思い浮かべながら見ました。

 

宇宙原理の中でブラフマーは創造を、ヴィシュヌは繁栄維持を、シヴァは破壊を担当する。三神は宇宙原理の3つの顔であり、究極的には三神は一体のものである。だそうな(←詳しくないので帰ってから調べた)。

 

春夏秋冬はドームのどこかで田口君が頬杖ついて見てるような気がして、切なさが最高潮に。歌うパート増えたねみんな(涙)。

「何げない 日々のこと 笑ってまた 話せるように」

 

In FactやKISS KISS KISSのイントロが流れただけで「キタキター!!!」って上がる感じはなんなんでしょう。

 

In Factは全身の血がドクドクと波打ち、リズムが地続きでお腹に響く、というのはcome hereの時も書いたけど、アリーナでなくてもそうだった。ライトサーベルで戦ってるみたいな緑のレーザー。いつかやられるきっと。

 

KISS KISS KISSでドームが一気にキャバレーになりました。イントロで目の前がカッと赤とピンクに染まる瞬間。バズ・ラーマンムーラン・ルージュみたい。享楽の夜の王国。妖しく誘う高級娼婦たち。夢と現実が交錯する大人のファンタジー。美しくも儚い乱痴気騒ぎ。あああ、好きー!

 

KAT-TUNのライブは、ラスベガスと言ってた人もいました。わかる。

 

TRAGEDYが今年の曲なんて信じられないわー。ドームだと曲の突き抜け感が倍増。研ぎ澄まされたKAT-TUNがそのまま空高く飛んで行きそう。

 

UNLOCKは、すべての特効をこれでもかというほど使ってて宇宙戦争みたいだ。間奏の暗転、ダンスがぞくぞくするほどかっこいい。派手すぎる特効がピタッとやむと、暗い照明の中むくむくと立ち上がる得体のしれなさ。その迫力。

 

曲自体は上がる曲というよりクールでかっこいい曲なので、ライブの山場にもってきたのが意外だったけど、最新シングル曲を山場にもってきたいという気持ちがあったのかな。その4人体制最後の曲が現時点で唯一の3人の曲につながる。

 

本編最後の曲はスガシカオさんに作っていただいた「君のユメ ぼくのユメ」。

 

ツアーの当初のセトリではこの曲とPRECIOUS ONEが逆だったみたいだけど変えて正解。

 

この曲はバラードと呼ぶには強い曲だから、アンコールよりは本編最後がふさわしい。Real Feceのアンサーソング。強いメッセージのこもった曲。夢ってリアルを手に入れた者だけが見る事の出来るものなのかもしれないね。


歌い終わって、白いコートを翻してメインステージに戻っていく3人の後ろ姿を見て、これは何の悪い夢だろうと思った。あまりにも真っ白すぎて眩しすぎて、天国みたいだ。そのまま消えてしまいそうだった。でも挨拶をする3人は人間くさくて真っ直ぐで、浄化されて昇天するのでもないと分かった(当たり前)。

 

挨拶で亀梨君が6人の名前をフルネームで言ってくれました。「KAT-TUNはこの6人で結成されたグループです」と。

 

そうなんだよ。KAT-TUNてグループ名は「結成時にメンバーの頭文字からグループ名を取った」っていうそれ以上でも以下でもない事なんだよ。今いるメンバーの頭文字を常に表してるわけじゃあないんだよ。今もKAT-TUNは6人だって言いたいわけじゃなくて、スタート地点はそこだったっていう、とってもシンプルな事。と思ってた、ずっと。5人になった時に、KAは亀梨で成立するとかジャニーさんが余計な事を言うから、いつの間にかネタのようになっちゃってたけど。

 

亀梨君の挨拶はそのグループ名と、あと抜けていった人のファンで今もその面影を追いながらもこの場にいるファンをも肯定してくれたような気がした。私は亀梨君のファンだけど、赤西君や聖君や田口君のファンのためにも嬉しかった。ありがとう。

 

挨拶の後にハグする3人は、白い子犬が離れがたくてじゃれているようで可愛かった。3人とも細いな。さっきまであんなにしっかり話してたのに、この時は稚い子供みたいだった。

 

子供のようにくしゃっと顔をゆがめて泣く中丸君。そんな中丸君を笑ってたくせに段々こみあげてきて泣いてしまった上田君。亀梨君は目を潤ませながらも強い目をして真っ直ぐ前を見ていました。この人は舞台の挨拶の時もそうだったけど、前を見る時は会場の客席のもっとずっと遠くを見てるみたいだ。


メインモニターは、ライブの始まりは大海原だったのに最後は宇宙空間のよう。3つの扉からメンバーが出ていくと、その扉の周りに映し出されていた光は彗星のようにそれぞれ宇宙空間に消えていった。

 

そして残るは二十億光年の孤独の闇(谷川さんの詩が好きです)。ああ、本当に行ってしまった。寂しい。

 

でもアンコールで戻ってきた3人は笑顔だった。ファンにも笑えー!と言った。言われなくても楽しくて楽しくておかしくなりそうだった。

 

3回のアンコールの後、最後の最後に歌ったのがPeacefuldays。6人のイニシャルをひたすら連呼する曲を、いつまでも大切にしているメンバーが大好きだ。

 

ユメの続きは充電後に。

そして充電期間が始まりました。

 

充電という決断にどこまで事務所が絡んでるのか分からないけど、このまま走り続ける事、充電、解散、色んな選択肢があったはず。そして亀梨君がTV番組で言ってた、増員というのも可能性として有りだということ。

 

選択肢が増える事はいい事だ。その選択をしないですむ方法も一緒に考えられるから。全ての可能性を考えられる人が一番強いんだ。

 

現実を見ていないとファンに夢なんか見せる事は出来ない。充電という事はグループでの露出がない事。その事でファンも減るであろう現実と、このまま何もなかったように走り続けて息切れして失速する事。KAT-TUNのクオリティを落としたくないというプライド。

 

そういったものを天秤にかけて考えて考えて充電という選択をしたんだなと思った。

 

抜けたと思った棘は、抜けずにそのまま体中をめぐり元の場所に戻ってきただけなのかもしれない。抜くのは諦めて体に棘を含んだまま生きていける体をつくろうとしているのかもしれない。2年周期という負の呪縛を解いて逆に再出発として利用しようとしているのかもしれない。

 

段々何言ってるんだか分からなくなってきましたよ。

 

「今あんたは、より高く飛ぶためにより低くかがんでいる状態なんだ」とは、SWANでレオンが真澄に言った言葉(確か)。今のKAT-TUNもきっとそう、と思うことにしました。 

 

もし、事務所の言う事を素直に聞き、リーダーを作り、ぶつかり合う事より譲り合う事を優先し、明るくポップで万人に好かれるパフォーマンスをする。という全て逆を行っていたら、こんな心揺さぶられる歌も全身の毛が逆立つようなパフォーマンスもなかった多分。それならいらない。安定の10年なんていらない。というか、もしそうなっていたら10年もたずに解散していたかもよ? だから、あなたたちは間違ってなかったんだ、と言いたい。

 

結成時から比べて人数は半分になってしまったけれど、それでも憧れ続ける後輩達がいる事、何度も死ぬような思いをしながらもついて行くファンがいる事、それが全てなんじゃないかな。

 

ただ事務所がもっと彼らを理解してくれてたら、味方がもっといたらという気持ちは勿論ある。事務所内の事なんて全て想像だけど、ファン側から見てそう思う。そうとしか思えない。これを言ったらキリがないので黙るけれど。

 

ライブを見て、こんなに素晴らしいのに、3人でも全然大丈夫なのに物足りなくなんかないのに、なんで充電しなければいけないんだろう。とまた思う。繰り返し思う。分かったつもりでもまた振り出しに戻る。

 

でも上田君がファンも戦って下さいと言った事は、そんな自分の気持ちとも戦って欲しいという事なんだろう。マスコミが解散とか自然消滅とか騒いでも、世間から「まだいたの?」と言われても、待つことを諦めない。それも戦う事なんだろう。そして本人達はもっと凄い渦の中にいる。

 

一定の条件下でしか見られない一瞬の奇跡、ダイヤモンドダストのような輝きを10年間見せ続けてくれた。奇跡の輝きを、10年見せ続けてきた事も奇跡だ。

 

不安定な時でも、でっかい打ち上げ花火を10年間どっかんどっかんと上げ続けてきてくれてありがとう。本当に綺麗だった。何人になっても、どの時代も最高峰だった。10年間最高の夢をみさせてもらった。

 

お別れの言葉みたいになってるけど、違います(笑)。10周年の感謝の気持ちです。てんくす!これからもよろしく!

 

充電という選択が未知すぎて、何をすればKAT-TUNの道筋に戻れるのか、メンバーも多分分からない。でも未知だからこそ思ったより早く戻ってこられるかもしれない。1年2年なんて自ら設定した数字に縛られる事はないんだよ。半年で戻ってきてもいいんだよ。そんな生半可な覚悟じゃないのは分かってるけど、ファンくらいはそう言ってあげたい。言ってあげたいけどその言葉に甘える人達でない事も十分分かってる。だから納得出来るまでやっていいよ。何をするのか分からないけど。おとなしくはしてないけど待ってる。

 
東京ドームで最後にみんなと見た夢。その夢の続きがまた見られる日まで。