午前三時の月あかり

亀梨和也君と日常ごと。木皿泉さんの事なども。

亀梨和也「離さないで愛」

夜空をそっと 抱き寄せて踊る
あたしにもっと キスして壊して


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Dead or Alive 【初回限定盤2】 収録


ライブDVDが発売されたばかりですが、亀担としては先にこの曲について書いておかねばと。後で読み返したい自分の為に。


シングルのカップリングにメンバーのソロ曲を、特典としてそのPVもつけるこの企画も「Dead or Alive」のカップリング、亀梨君のソロ「離さないで愛」で最後。これ聖君の「BLACK OR WHITE」(「不滅のスクラム」のカップリング)から始まったんですよね...(遠い目)。


KinKi Kids堂本剛君に亀梨君が直にお願いし作っていただいた曲。2002年のKAT-TUNの初めてのコンサートで披露されて以来、舞台「DREAM BOYS」などでも歌ってきた、ファンの人気も高いこの曲を音源化。そしてPVも。


「女性目線の曲を」というのは亀梨君のリクエスト。当初はKAT-TUNの曲としてお願いしたのかな?そのへんは当時を知らないのでよく分かりませんが。


今回音源化PV化にあたって、亀梨君は「PVとか勝手に作ってしまっていいんでしょうか」と剛君に電話したそうですね(少年倶楽部プレミアムより)。 「真面目やな〜と思って」と剛君も感心してましたが、それだけこの曲に込められたものを大切にしているんだろうなと。作り手の思いと歌い手としての自分の思いも。


後の亀梨君のソロ曲「1582」はこの「離さないで愛」を和風にアレンジして歌詞を書いたと亀梨君自身が話していました。


当時10代の青さの残る「離さないで愛」は、ほのかに香る蕾のような色気はあっても、大人になりかけた少女の奔放さのような印象が強かったんですが、20代後半の今の彼が歌うその曲は、妖しい美しさをたたえた艶やかな蝶でありました(大真面目)。


これ当時のキーのまま歌っているんですよね。最近の彼からすると少し低めのキー。それがまた性別不詳の色っぽさがにじみ出ていて、間(はざま)という印象を受けます。


男と女の間、夜と朝の間、陰と陽の間、靜と動の間、清と濁の間、生と死の間、色々な間(はざま)。


亀梨君がラジオで、「絆」を作詞し、そしてレコーディングした時のエピソードとして、作曲者の馬飼野康二さんに言われた言葉が今でも印象に残っていると話していました。


「君は言葉に心を込めるのが僕は非常に長けてると思うから。上手く歌おうとしなくていい。とにかく言葉を大事にして歌う、というのがきっと君の良さだから」

と。そして亀梨君は今でもそう思いながら歌っていると。


歌い方は変わっても同じように感情を揺さぶられるこの声が私は大好きなんですよね。歌にしろダンスにしろ演技にしろ、この人はつくづく表現者なんだなと思います。


危ういようでこの個性を生み出す理想的なバランス感覚。一見アンバランスに見えるその個性が生み出すゆらぎの美しさ。強さ。


その個性が枷になる場合もあるだろうけど、好き嫌いもはっきりと分かれるだろうけど、はまったら最後、ズブズブと引きずりこまれるこの泥沼感。


PVの物語仕立ての部分は、私は、籠の中の鳥(勿論囲われてた情婦的な意味で笑)だった彼が自由を手に入れるまでの話なのかなと。再生の話というか。


暗い路地裏、無国籍で退廃的な雰囲気を漂わせた部屋、気だるい夜を飛び出し、(「助けてあげようか?」というインテリヤクザ田口の手を振りほどき)、自らの足で歩き出し自由を手に入れた彼は、朝日を浴びて(PV見ると夕日っぽいけどそこは朝日で!)思う存分翼を広げ踊るのです。−The END− みたいな^^


最後の屋上で踊るダンスが本当に綺麗です。まさに「夜空をそっと抱き寄せて踊る」。
ダンスをもっと見たかったという思いもありますが、物語仕立ての演出も素晴らしいです。ショートフィルムのよう。このPVを20代のうちに残してくれて本当に良かったなと思います。