午前三時の月あかり

亀梨和也君と日常ごと。木皿泉さんの事なども。

NO WORDS, NO TIME 〜空に落ちた涙〜

田口君の舞台が無事全公演終了しました。おめでとう.:*・゜お疲れ様でした


私は1月31日夜の部へ行って来ました。以下いつもと同じようにツイッターでつぶやいた事を含む感想です。


妻と幼い子供を亡くし生きる気力を失った男の日常から始まる物語。もの悲しいピアノの旋律と反復する振りが、もがいてももがいても闇ばかりで抜け出せない悲しみを増幅させているようで美しくも悲しかったです。


台詞がないというのは、パントマイムやダンスで全てを表現したかったというより、生きている世界が違うから言葉が通じない、だからパントマイムやダンスで気持ちを伝えようとした。といった物語上の必然性を感じました。「言葉があっては伝わらないもの」を伝えたかったのかなと。


東山さんと田口君のスーツの色が時々変わるのは、こういう事なのかなと勝手に想像し勝手に納得しました(見当はずれだと恥ずかしいので書きません笑)


東山さんのダンスはしなやかでバネのようで、頭のてっぺんから足の爪の先まで意識が通っているような、どこを切り取ってもポーズの一つ一つが綺麗で残像として残るようなダンスでした。パンフレットでも額を持った後ろ姿だけでもう全身が美しいですよね。


花總まりさんは、立っているだけで可憐で儚くて。田口君にとって母親なのに恋人のようでもあり。昔映画かバレエで観たオルフェウスのエウリュディケを思い出しました。そういえば黄泉比良坂のようという感想も見かけました。良く分かります。皆さん思う事は同じですね。


東山さんが田口君の頬を両手で触れた時、そこにあるのは父と子の愛情以外の何ものでもなくて苦しく切なかったです。見た目は変わっているのに触れた瞬間に頭だけでなく魂で理解したみたいな。その時の田口君も子供の顔をしていて。


田口君は最初の登場のあたりは無機質な人形のようなんですが、その表情と子供のような無垢な表情の二つの対照的な
表情がとても印象的でした。台詞がないのに表情でちゃんと演技してたなあ^^


田口君のダンスは東山さんのように完成されていないのですが、背も高く、振付の黒田育世さんもおっしゃっていたように振りも大きくて舞台映えしますね。ジャンプも高くていつもKAT-TUNで見慣れているはずなのに、狭い舞台で改めて見るとびっくりします。


東山さんと田口君で鏡のように向かい合って踊るダンスも凄く良かったんですが、一番好きだったのが、東山さんが前で踊っていて群舞が後ろで踊り、その更に奥で田口君が東山さんと同じ振りを踊っている所でした。二階席だったのですが、舞台の奥の方までよく見えて、全体も勿論よく見えて、とても良い席でした。


台詞がないのでカーテンコールでやっと田口君の声が聞けたんですが、やってくれました「入口出口田口で〜す」(笑)。そこで初めて夢から覚めて(笑)、「ああ今まで舞台で踊っていたのってやっぱり田口君だったんだね」としみじみ思いました。あの晴れ晴れとした顔忘れません。


今回1回しか観劇できなかったのですが密度の高い、プロ集団の素晴らしい舞台を観させていただきました。ぜひ再演して欲しいです。レポでみかけたのですが、田口君が千秋楽のカーテンコールで「今回舞台人として第一歩を踏み出す事が出来ました」と言ったようですね(涙)。その記念すべき第一歩(の何分の一かの公演)に立ち会えた事をとても嬉しく思います。