午前三時の月あかり

亀梨和也君と日常ごと。木皿泉さんの事なども。

映画「バンクーバーの朝日」

2014年12月20日公開「バンクーバーの朝日


1-3_20150105121845954.jpg


監督 : 石井裕也
脚本 : 奥寺佐渡
出演 : 妻夫木聡亀梨和也勝地涼上地雄輔池松壮亮
     佐藤浩市高畑充希 他



公開初日と1月2日の2回観てきました。「感動実話」という宣伝文句に期待して観た人は物足りない思いをするかもしれません。逆にそういう宣伝で苦手だと思った人が観て「うっかり感動しちゃったよ」と笑いながら泣いてしまう。そんな映画じゃないかなと。私がそうでした。


感動を誘うような大げさな演出もなく、暗いばかりの話でもなく笑いもあり。観た人の感想で「ああ、野球がやりたいなあ」というのを見かけましたが、そういう素直な感想がするりと出て来るような真っ直ぐな映画でした。


映画館では年配の方も多く、男性1人で観に来ている方もぽつぽつと見かけて、くすっと笑える場面で声をあげて笑っていたのもそんな方達でした。


以下出演者のインタビューの内容を挟みながら感想などを。ツイッターでつぶやいた事もありますが。すんごい長いです。


パンフレットより。監督が焦点を当てようとしたところは?


石井「すさまじい閉塞感であったであろう、当時の世界の中でバンクーバー朝日のメンバー、特に主人公のレジーが、いかにして立ち上がったのかを描くことだと僕は思いました。明らかな劣勢の中で、己の弱点をしっかりと受け止め、じっくり考え、身の丈に合ったやり方で全力を尽くす、というレジーのキャラクター作りはとても重要でした。


レジーはすべての真ん中に位置しています。彼は日本人万歳という人と白人万歳という人の真ん中にいて、野球でも同じスタンスをとっている。広い視野を持っていたからこそバント作戦を編み出せたわけだし、何よりすべての真ん中に主人公を置くことで、レジーという人間をファクターにして、当時の複雑な世界観や歴史、野球を見せていけるのではないかと考えたんです。


妻夫木「僕は、レジーはいろんな想いを全部持っていた人だと思ったんです。-(中略)- 彼はカナダを愛しているけれども、カナダ人から差別や迫害を受ける。でも、かつて移民一世が大勢日本からやって来て、現地の人の仕事をどんどん奪って、カナダ人からしたら日本人がエイリアンのように見えた気持ちも分かるわけです。だからと言ってレジーにはどうすればいいのかという答えはなくて、その想いを溜めこんで上手く発散できない、不器用な男なんだろうなって」


レジーが気だるげに起きるところから始まるカナダの寒い冬の朝。辛い労働の昼を経て夜酒場に集まる労働者たち。その1日の時間の流れ、そして季節の移り変わりの映像が丁寧で、そこに挟み込まれる野球のシーン特に夏の野球シーズンへとがらっと変わるその明るい風景は、一斉に息吹く街の様子がそのワクワク感がよく出ていました。


亀梨 「僕は勝手に頭の中でモノクロでその時代を感じていたんですけど、実際ってやっぱり現代と同様カラーなわけじゃないですか。目から入ってくる景色って時代を超えてもある程度変わらないものというか。時代って関係ないのかな、“生きる”ということに対してシンプルに捉えた時に」

と亀梨君がインタビューで話してた通りに鮮やかに。


レジーが夜静かに朝日軍のユニフォームを出し嬉しそうに羽織る、それを寝ていたエミーが薄目を開けくすくすと笑いながら見ているシーンがいいんですよー。照明のあたり具合もとても暖かで静かで心に残るシーンです。


普通なら感動させるシーンになるであろうシーンがわりとあっさりめでカットも少なくて、日常生活の先のある1つの出来事として淡々と撮られていて、その積み重ねのリアル。


無音で映し出される人々のちょっとした間とか。何かを考えているのか疲れ切って考える余裕もなくぼうっとしているのか、ふとした瞬間ににじみ出て来る現実の重さ。でも辛いだけじゃなく楽しい事もある。どちらもあるのが彼らの現実。


移民一世の人達はあのまま日本にいたらという後悔はあるでしょうけど、二世は生まれた時からカナダにいるわけで、可哀想な境遇の俺達というより、運がないみたいなやさぐれもあって、日本人の誇りも後悔も家族に対する後ろめたさもある一世の方がずっと重い。佐藤浩市さんがまた上手すぎて「わしらは家に帰らんといけんのじゃ」(台詞うろ覚え)が一番泣けました。


そういえば、石田えりさん演じるレジーの母親が佐藤浩市さん演じるレジーの父親に米を投げつけ、その後床に散らばった米粒をひとつひとつ拾うシーンは「七人の侍」を思い出しました。黒澤監督はその床に相当こだわって焼いたりたわしでこすったりを繰り返したそうですが、この映画でも同じように、生活の汗も泥もすべて吸い込んだような黒光りした床と命をつなぐ大切な大切な白い米とのコントラストがはっきりと印象に残っています。バンクーバーの日本人街を含む美術も素晴らしかったです。オープンセットとはとても思えない。


主役の妻夫木君はとにかく良かったです。最近は「悪人」とか「黄金を抱いて翔べ」の印象が強かったんですが、妻夫木君ってこういう役が抜群に上手かったんだなと思い出しました。そうでした忘れてました。


あの一見どういう人か分かりにくく出すぎても引っ込みすぎても台無しであろうレジーという役を実に自然に演じていて、レジーがしっかり存在しているから亀梨君のロイも更にくっきりと浮かび上がって相乗効果なレジーとロイの対比が素敵でした.:*・゜。


初めてバントを成功させるシーンでも、バッターボックスに入る前から入ってバントを成功させて塁に出て盗塁してついにホームベースを踏むところ。そしてその後の表情まで、一連の表情の変化と動きが素晴らしく臨場感あふれていて息を飲んで見てました。こういう細かい嘘(演技)から生まれるリアリティは野球経験があるより先に本当の演技からじゃないと出せないものだなあと。


亀梨君のロイは石井監督がおっしゃっていたように背中の演技が凄くて、出場停止になって「馬鹿な事をしたもんだな」と言われた時の、やるせない思いと怒りの渦巻いている背中がヒリヒリと痛いくらいで凄みがありました。


亀梨「ロイの場合、強く生きようとする表れが、周りに対する反発や孤独につながっていたと思います。別に“この人嫌いだから”というのではなく、必死に生きなくてはいけないから誰にも頼らない。一所懸命にやればやるほど孤独になるという、彼の立場は凄くよく分かります」

私は亀梨君のファンなのでついつい亀梨君本人と重ね合わせて勝手に切なくなってしまいます。妻夫木君も「亀の孤独感には嘘がない」と話してたな...


レジーとロイが白人チームの選手に会いに行った帰り道。ロイの泣き顔は絶対撮らないと全て横から(顔は影になってて見えない)撮った石井監督。レジーの言葉に頷いて静かにしゃくりあげるロイの背中が儚くて、いつも張り詰めてたロイの脆さが見えてじんわり涙が。「やっぱり野球は楽しいよ」と言うレジーの飾らない言葉もレジーらしくて優しくて。


エミーが歌うシーンでもロイは後ろ向きで座っていて表情は見えないんですが、そこでも背中の集中力というか存在感が凄くて、立ち上がった時は緊張MAXで(観ているこっちの)、今にも何かがパリンと割れそうなくらい。あそこでレジー以外の選手との間にあった壁もなくなったんでしょうね。


レジーとロイの汽車での別れのシーン。以前レジーが冗談でロイに行った言葉を言うロイ。その穏やかだけど強い表情。それまでの背中の演技が続いたからこそこの表情が活きてくるというか。


「また野球しような」とぼそっと言うレジー(の表情がまたいいんですよ!)と、その後の花が綻んだようなロイの笑顔が綺麗でした。


このシーンは4〜5回撮ったそうで、最初の2〜3回では涙が出てしまったという亀梨君。そこで石井監督は「涙はいらない。ここのロイは強く」とおっしゃったそうです。「とにかくロイはレジーを見続けて下さい」と。


亀梨 「まだ二人はどこか希望を持っているんです。もう会えないと何となく分かっているけど、でも何とかなるんじゃないか。また一緒に野球が出来るんじゃないかって。“たぶんやるよ”みたいな。どこか達観する感じもあったのかな。だからこそ、そんな希望さえ打ち砕くのが戦争という答えにもなっている」


レジーを筆頭とする朝日軍のメンバーは皆役にぴったりで、脚本はアテ書きだったと聞いて納得しました。石井監督はキャストはまず第一に「心の綺麗な人を選んだ」とも話していました。


池松君演じるフランクはレジーとの2人のシーンが良くてこの人すげえなと改めて。あの話し方のトーンとか間とか仕草とか意識せず出来る才能のまぶしさよ。


ネタバレですが、途中職を失ったフランクは、日本へ行く事になるんですよね。それをレジーに伝えるのがそのシーンなんですが。見たこともないもう1つの祖国へ旅立ったフランク。船で日本へ向かったその次のシーンが戦争の様子を伝えるスクリーンに映った日本軍の様子。それを見ていたレジー達がその中の1人を見て「あれ?フランク?」「まさかな」と言う。それだけのシーンなんですが、ここがこの映画で一番残酷なシーンなのかも。映画ではぼかしてありますがきっとフランクなんだろうなと思わせる暗い影が潜んでいるシーン。池松君もインタビューではっきりと「フランクだけ戦争に行った」と話していましたし。


上地君演じるトムは「野球やめちまえよ」と言われた時の「やめないよ」の言い方が良かったなあ。5人の中で唯一妻も子もいる選手で、「ごめん」と言いながら練習にいく姿や、朝日軍が出場停止になった時に妻から「これで良かったのよ」と言われた時の「うん」という言い方も。台詞は短くても色々な思いが伝わる演技が良かったです。


勝地君演じるケイは明るいムードメーカーで、「かっこいいと思ってやってねぇよ」とボソッと言ったり、こんなの野球じゃねえよと言ってもその後褒められると「そうすか」とその気になったり、勝地君そのままのような愛すべきキャラが可愛かったです。


他にも現代っぽい言葉がいくつか出てきましたが、それも石井監督はあえてそのまま入れたんじゃないかなと。違和感を覚える人もいるでしょうが、その人にとって生きてる言葉をそのまま使う事が大切だと思ったのかも。


そして何といっても高畑充希さん。主要メンバーでただ1人オーディションだったそうで、歌が上手くて素直な可愛い女優さんはたくさんいたけど、エミーという役はそれだけではダメで、その中にやっぱり黒いもの、鬱屈したものがなければと思い、ただ1人それがあった彼女を選んだ(ニュアンス)、と石井監督はラジオで話していました。


エミーが朝日軍のメンバーの前でとつとつと話すシーンは、本当にその黒いもの白いものが心に渦巻く中で絞り出した希望の言葉のようでした。瞳の奥から訴えてくるものが怖いくらい。その後の歌はこの映画の見所の一つでした。


監督のインタビュー(だったかな?)にもありましたけど、ちょくちょく映し出される「手」が印象的でした。肉体労働の後のこわばった汚れた手。酔いつぶれた親父の手。優勝した後、レジーが球場の壁にもたれてなんとはなしに見る自分の手。そしてエンドロール後の年老いたレジーの手。


あの年老いたレジーとして出演しているのは実際に朝日軍のメンバーだったケイ上西さん。エンドロールの流れる前のありし日の朝日軍の映像は、年老いたレジーが海の向こうに見ているものなのかもしれません。そこで思わず動いてしまったかのような「手」。あの微笑をたたえた深い表情は、懐かしい思いの先にあるただ「野球がしたいな」という思いを一番に含んでいるのかもしれません。


映画公開前に放送していた朝日軍のドキュメンタリーで、収容所でもカナダ人と野球をしていた日本人がたくさんいたと伝えていました。バンクーバー朝日軍という「青春」の続きが収容所にもあった事を信じたいです。そこにもバンクーバーの日本人街と同様に希望があった事を。



1月12日追記 :


本日3回目行って来ました。そして今日は上映後石井監督と妻夫木君のティーチインもありました。会場からの質問に答える形だったので深い話は聞けませんでしたが、サプライズゲストでレッドソックスで活躍中の上原浩治選手もいらして、始終和やかな雰囲気でした。


映画は観るたびに突き刺さるものがあり、複数回観る事をお勧めしたいです。本当にいい映画です。

「KAT-TUN LIVE TOUR 2014 Come Here」9月27日 国立代々木競技場

銀テブレス-3

ライブの最後に降ってきた紫の銀テブレス.:*・゜


また時間が空いてしまいましたが、代々木の雑感など。27日の1部に行ってきました。この日も楽しすぎた。


席はアリーナのいわゆる埋もれ席。トロッコが通る通路のすぐ横の席で、メンバー全員を1mくらいの距離で見られたのは良かったんですが、ステージのダンスは埋もれて見えにくかったのが残念。


すぐ横を通ったといっても見事なまでに全員背中を向いてたんですが、まあ、近くて見れば見るほど本当に血が通ってるのかと疑いたくなるくらい人間離れした綺麗な人達ですことよ。亀梨君なんて真っ白。まっちろ。夜の闇を照らす月のように発光しまくっておりました。


この日はDVD撮りのカメラが入ってて、すぐ横を通ったりもしましたが、どうか映像化されても映っていませんように><
もうだいぶ記憶が薄れているので、印象に残った部分のみ。亀梨君の感想がやっぱり多いです。


OP
幕が取り払われたステージの上に、逆光気味に影を作って立つ4人がかっこ良くってねー。特効バーンでその爆発力のまま曲に入るのも勿論いいんですが、この、すぐ歌いださず歓声を楽しむように下界を見渡し、余裕ぶっこいて立ってるその溢れ出るドヤ感がまぎれもなくKAT-TUN.:*・゜


COME HERE
インタビューで田口君が、振付けは今回色々な方にアイディアをいただいてこういう曲はこの人にお願いしようとメンバーで話し合った、COME HEREはキャッチーな振付けにしたくてCM等の振付けで人気の方にお願いした、と話していたそうですが、これあの振付稼業air:manの事だったんですね。


振付師ユニットの振付稼業air:man。情熱大陸の密着を見た時は、AKBの振付けだったと思うんですが、あの大人数を全てのメンバーが活きるようミリ単位でフォーメーションを組立ていたのに驚きました。


COME HEREの振付けはメンバーの希望通りキャッチーでメンバーも踊りやすそうで(簡単という意味ではなく)、楽しそうで、見てるこっちもノリノリで、BANG BANG BABYの指さしもモンキーダンスも楽しくて楽しくて。最近では一番好きです、この振付け。


少年倶楽部プレミアムの密着映像によると、最初OPはIn Factの予定だったのかな。In Factだとまた雰囲気が違ったでしょうね。どちらかといえばカウコンのGIMME LUV寄りのスタイリッシュ&クールな感じだったかも。


カウコンのPHOENIXでの降臨とか召喚とか過去を焼きつくす炎の中から蘇ったとか、そんなドラマティックな妄想の余韻をぶった切るような今回のこの素敵にチャラい曲がOPで本当に良かったと思います。PHOENIXの世界観は大っ好きですが、カウコンの続きが見たいわけじゃないので。あの世界はカウコンで完結してまた次の物語が始まったんだなあと思える喜び。


DANGEROUS
このライブでの私の1番の盛り上がりどころがDANGEROUS〜ART OF LIFEまでの流れです。


DANGEROUSは文字通りダンスがデンジャラスー。私、亀梨君をセクシーと思った事はないんですよね。エロスとか艶めかしいとかそんな表現の方がしっくりきます。なんてったって奇跡のジェンダーですから。10代の頃からアラサーとなった今もそれは変わりません。ずっと変わらないだろうな、きっと。


そういえば以前「ジャニ研!ジャニーズ文化論」という本で、KAT-TUNについての記述がありました。

イケイケのディスコ路線にしっかり対応出来るのはKAT-TUNだけかもしれませんね。ジャニーズのディスコは、ディスコから夜とセックスを抜いたものだという定式がありましたが、KAT-TUNは殆ど唯一、夜にもセックスにも対応出来る強さがありますね。

夜とセックス、そこに今回ART OF LIFEバイオレンスも加わっちゃっいました。無敵だ。


爺孫の「炎」は亀梨君がやらず「なにやってんのぉこの人ぉ」みたいに首をすくめてぶりっ子しておりました(いつものこと。中丸君どんまい)。上田口は見えず...


HIDE and SEEK
アルバムでは一番好きな曲でしたが、ライブでも演出も衣装ももう全てがかっこ良かったです。


メンバーそれぞれ黒いシャツをテロンと無造作に着ていて(間奏で上田君以外がはだけます笑)かっこいい。田口君のハットも似合ってたなあ。


映像とメンバーが交錯し、下にいたかと思えば次の瞬間上で歌っていたり、ルパンか007みたいにサーチライトに照らし出されて次の瞬間消えていたり、曲名から連想する通り摩訶不思議な高度すぎるかくれんぼみたい。


歌詞の出方も書体も凝っていて面白かったな。私はよく知りませんが、進撃ぽいとかエヴァっぽいとかいう感想をよく見かけました。


このコンサートでは炎を使った特効は殆どありませんが、ここで来ました。本当に燃えさかる炎が良く似合うグループだなー。エレクトロサウンドには炎よりレーザーでしょうが、こういう硬派な重低音ばりばりのロックにはやっぱり炎が良く似合います^^


優しい雨
メンバーの声がみんな優しくてね。イノセンス。「ごめんね。もうちょっと大人になるね」の歌詞を亀梨君が歌うと10代の彼らを思い出してなんだかしんみりしちゃいます。


ART OF LIFE
上田君のソロ。導入部からバイオレンスな闇の帝王きたよ。瓶で殴るわ像を壊すわ(勿論全部フリ)。若さという驕りと無邪気さと狂気の入り交じった表情。


ダンサー引き連れてバッキバキに踊るダンスがかっこいい。導入部ではいたぶられていたバックダンサーが、今度は魔王復活を喜ぶ魑魅魍魎のよう(ダンサーさんすみません)。魔王来たれり(分かる人には分かる)。


ツイッターでもつぶやきましたが、これだけ強烈なソロをやっておきながら、そのソロで目指したのが「俺自身として見てもらわなくても成立するもの」「“個を消す”という感じ」と会報で話していて、蜷川舞台で得たものは大きいんだなと思いました。


HIDE and SEEKで1人だけはだけず、ソロではだける自由な上田君がらしくていいな^^


クレセント
中丸君のソロ。生々しい退廃的なAOLからの、本人もバックダンサーもテクノロジーおもちゃ化したかのようなイコライザー画面のようなクレセントのギャップが凄い。面白いグループだな(今更)!


CDではピンとこなかった曲ですが段々あのリズムが癖になってきて、コンサートではひたすら楽しい曲でした。中丸君のソロって最近は傾向が似てきて、安定して良曲が多いけれど、もっと冒険してもいいのになと思ってたところなので、この流れは良いかも。


中丸君といえば、大好きなMY SECRETがセトリになくて、中丸君のあの高音が聞けないのは今回のライブの不満の1つです。いつも低音低音言ってますが、あの高音は絶品なので。なんで歌わないのよー。


STAR
星を思わせる映像が綺麗。そんなに好きな曲ではないのですが、炎や水の派手な前へ前へ出る演出とは違い奥行で魅せる演出というのも中々良いですね。大サビの亀梨君の高音が辛そうなのが気になりました。横アリではもっと声が出てたような。


ストンプ〜BLACK〜BREAK UR CAGE
この流れも好きです。私的第2の山場。バーのようなセットが凝ってる。ストンプからのハルカナ約束も違和感なし。4人で手を繋いで踊るダンスも面白い。このライブの中で1番生っぽいパフォーマンス。BLACKの市ヶ谷のコンビダンスはやっぱりかっこいい。BREAK UR CAGEのステッキとハット、椅子を使ったダンスもかっこいい。


SIGNAL
この曲を今また聴けたのは嬉しかったんですが、短い...
こういうシングルまた出しませんかね。KAT-TUNの皆さん。


FACE to Face
曲のイメージに合わせた鏡の演出がすんごく良かったです。客席に背中を向けてキューブの鏡に映った自分を見ながら踊るという発想が面白いなー。あとメンバーが乗って踊っているキューブに逆さ鏡のようにメンバーが映っているのも考えたなと。手を伸ばしても掴めないRealityよ、ほんと。


WHENEVER I KISS YOU
田口君のソロ。歌う田口君のバックの映像も全部田口君。ギターもベースもキーボードもドラムも田口君、とレポを読んだ時はちょっと笑っちゃったんですが、実際見たらなじんでて違和感なかったです。


衣装もカジュアルでスタイルの良さが際立ちます。R&Bぽい曲調と伸びやかな声が心地良い。フィルムを形どった布がステージを覆うように駆け抜けていく様はフォレストガンプを思い出しました。マイクが透明な筒状になっていて中が水槽のようにキラキラして綺麗だったな。


Emerald
亀梨君のソロ。大好きな声に大好きな曲。なので感想も長いです。


亀梨君が会報で、エメラルドは“純度100%の亀梨和也”と言っていましたが、そう、あれはあまりに亀梨和也の純度が高すぎて他の誰も(歌詞にある「君」さえも)入る隙間がなくて、ひとり恍惚とエッチをしているような濃密な空気が流れてました(他に言い方が見つからなくて^^;)。つまりはひたすら想いつづける片思いの曲のようだと。


最後の「暗闇でも...」というフレーズは歌詞カードにはないんですよね。


最後一面のブルーのライトがエメラルド色に変わり、一筋の光になって、かざした亀梨君の手の上でゆっくりと消えてゆくところは、まるで海の泡になって消えていったかのように思えて、これはもしかして消える最後の瞬間まで恋した人を思い続けていた人魚姫のお話なのかしら。後は暗い海が広がるばかり。


どうも普通の恋愛のイメージが浮かばないんですよね。亀梨君て。ドロドロの業の世界か壮大なポエムか人外か。


そしてしっかりサングラスもしてるのに女性目線を想像してしまう。あざといサングラスプレイをしてもなお(笑)。


関係ないけど、妖怪人間ベムの時に裸の背中が人魚みたいだって言われてたっけ。


バックダンサーは当たり前ですが結構踊っていますが、亀梨君本人は思いのままに体を動かしているだけでダンスらしいダンスは殆どなし。ダンスがっつり踊って欲しいと最近ずっと言ってますが、この曲はこの方が合ってたのかも。踊るといより漂う曲。


TRIANGLE
電飾衣装で、踊るというよりトリックのような光の演出を見せるための動きという感じで、このライブの中での演出のバリエーションとして有りとは思いましたが、好きな曲なのでやっぱりもっと軽い衣装で歌い踊って欲しかったなと。


In Fact
これは突き刺すようなレーザーが凄かった。SFアニメの宇宙空母から放たれるレーザー砲みたいだった。


アリーナだったので地鳴りのように床から伝わってくる重低音がお腹に響く響く。ライブで改めて聴くとイントロからすんごくかっこいい!


ファーストクラスの続編の方は正直OPが物足りないです。それくらいIn Factは曲のインパクト(シャレではありません)があって良かったな。


SUMMER EMOTION
Believe In Myself

水鉄砲は、すぐ横を通った亀梨君からはまったくかけてもらえず(だって後ろ向いてたし)、逆方向を通る田口君に水をかけてもらいました。濡れたらやだなと思ってましたが、かけてもらえばやっぱり嬉しいもんです。


Believe In Myselfで、客席をどうどうどうと手で落ち着かせるそぶりをリズムに乗ってやってからの、サビでせーのとぐるんぐるん水鉄砲を振り回す亀梨君がワンコみたいで可愛かったです^^


   


   
話が前後しますが、この日のMCの私的ハイライトはこれです。



この笑い声が本当に「え?誰この声」と思うくらい思いっきり「キャハハハーッ」って笑ってて面白すぎました。上田君の「なんとも言えない顔」というのはいじられた時によくする照れとはにかみが入って何か言おうとするけど言葉が出てこないようなもごもごした顔です(分かっていただけるでしょうか)。


あと「これだけはやらせて、見なくていいからやらせて」ってよく分からないお願いをしてまで(見なくていいの?笑)やりたがった亀梨君のマリオの真似が可愛すぎました。


もっともっと一杯あったんですが、あやふやなものが多くて^^; とりあえず勢いのままにここまでup。後で追加修正するかもしれません。

「KAT-TUN LIVE TOUR 2014 Come Here」7月26日 横浜アリーナ

7月26日の2部に行ってきました。すっっっごい楽しかったー!!


センステもバクステも花道も外周もなし。使うのはメインステだけ。アリーナとスタンドにトロッコ。モニターはステージの左右に1つずつ。ステージ構成としては今までになくシンプル。


ステージ上段の奥にも演出用のモニターがあり、ステージには4つの大きな動く箱(キューブ)。このキューブが映像を映すモニターになったり、照明になったり、鏡になったり、メンバーが乗るステージ台になったり大活躍。


とにかく、照明が綺麗。放射線状に行き交うレーザーが凄い。光と影の強烈なコントラスト。そしてメンバーは、トロッコに乗る以外はメインステージで見せる見せる、とにかくノンストップで見せる。


生身の人間のエネルギーと人工的な色とりどりの光によってフラッシュバックする現実と非現実。まだ未完成な部分も含めてトリッキーな仮想現実のよう。


亀梨君はインタビューで、「今回は今までにない新しいものを生み出したくて、これまでの自分達の引き出しも方程式もあえて使わなかった」と言っていました。「これが成功したら新たな道筋が見えてくる」とも。


カウコンでは、どんなに派手な火や水を扱っても、中心にいるのは確固たる個性のカタマリとしての自分達、力技で見せる個の集合体。その自分達を際立たせる為の水と火、という印象でしたが、今回は、自分達でさえも演出の一部として使っているようでもあり。


映像に同化したり抜け出して踊ったり、自分達の姿が見えにくくても全体の演出を見て欲しいと言わんばかりにステージ全体、いや客席のペンライトをも含めた会場全体を使っての演出のように思えました。


光の演出というのは他のアーティストでも見かけますが、誰もやった事のない事にこだわって迷走するよりは、KAT-TUNにしか出来ないやり方で、生み出したばかりのこのパフォーマンスを完成させていって欲しいなと思います。


ドームをあえてやらないと聞いた時は愕然としましたが、そういえばファンになりたての頃、こういうコンサートをやって欲しいとずっと思っていたっけ。


外周をゆっくり歩いたり、トロッコで手を振ったり、ムビステで上から見下ろしたり、そういう時間がもったいないと思ってたんですよね。遠くてもいいからそこはがっつりステージで踊って欲しいと。これは今でも思っていますが。


そういう、ある程度はジャニーズだからしょうがないと思っていた事が、思いもかけず覆された感じでしょうか。


そりゃ近くに来てくれたら嬉しいですけどね。後で書きますけど、今回もありましたけど。でもそれはまた別の感動。パフォーマンスの感動には遠く及ばないもの。


でも出来ればドームでまた違った見方もしたいなあと。贅沢なのはファンの性ですね。


防振双眼鏡を持って行ったのですが、使ったのはMCとメンバーがトロッコに乗った時くらいでしょうか。あと、上田君ソロの導入部とか(凄かった)。


他はほとんど肉眼で見ました。モニターもあまり見ませんでした。とにかく肉眼で見ないと勿体ないです、あれは。演出からダンスから全て。


曲ごとの感想も書こうと思ったんですが、それは代々木が終わってからにしようかな。何しろスタンドの、ステージのほぼ真横に近い席だったので。また違った角度から見てコンサートの総合的な感想をかけたらいいなと。


で、ですよ。今回、わたくし、田口君と上田君と中丸君とハイタッチしてしまいました.:*・゜
その時の事も含めた興奮冷めやらぬ感想を貼っておきます。









※手を動かさずとは、手をあげたまま動かさずの事です^^;


※中丸君がそう言ったのではなくそんな感じで通り過ぎていったという事です。色々言葉が足りてなくて^^;




キラキラ笑顔の合間にドロリと流れ込んできたようなあの笑みは忘れられませんね。さすが魔性のヘルマプロディトス。


でもMCでは謎のつんつくつん踊りをメンバー巻き込んでしつこくしつこく踊る28ちゃい(笑)。この日のMCは始終コントでした。アホだなーKAT-TUN。横アリ最終日はもっとすごかったそうで(笑)、このステージングの凄さとともに、素のアホ可愛いKAT-TUNが世間にもっと知られるといいのにねぇ。

KAT-TUN ALBUM「come Here」

アルバム-2


6月25日発売のKAT-TUNの2年半ぶりのフルアルバム「come Here」聴きました。
ミニアルバム「楔」で4人の方向性を示したかのように思わせといて、真逆に行きましたね(茫然)。


マキアの連載で亀梨君が(アルバムに限った話ではないですが)「あらゆる予定調和は徹底して壊しちゃう」と言っていましたが、KAT-TUNてそういう集合体だよなあと改めて。「人類は進化する反調和である」という言葉をKAT-TUNに捧げます(イティハーサ好きでした笑)。思い通りにいかないKAT-TUN大好きです。攻めてるなあ。


古き良き的楽曲とメンバーが言ってましたが、エレクトロポップっていうのかな(そこらへん疎いのでよく分かりません^^;)、そんなピコピコ系の音がどの曲にも入っていて、軽いんだか重いんだか明るいんだか暗いんだかよく分からないKAT-TUNの色が際立ってて面白いなと。


以下かなり偏ってますが曲ごとの感想を。


COME HERE
ちょっとレトロな香りのする、80年代MTV全盛時のアッパーなダンスチューンみたい。けれどカラッとひたすら明るいパーティーチューンとは違い、日本の夏のように湿度が高い印象なのは、KAT-TUNが歌うからか日本語の節回しによるものか。後半にかけてのそれぞれの高音が良いですねー。


2ndアルバムでは「明日には消えてしまうかもしれない俺達の生の為に愛し合おうぜ」みたいだったのが、このアルバムでは「明日にはきっと冷めてしまう恋だけど、死ぬほど君を愛してるよ」みたいな感じでしょうか(書いててとっても恥ずかしい///)。


このちょっと気恥ずかしいもったいぶった軽さ(けど湿度は高い)が今までにない感じでとても好きです。


なんでいきなり2ndアルバムの話が出てきたのかというと、今回のアルバムが2ndアルバムの流れに似ているとの感想を読んだのと、あと私が一番好きなアルバムが2ndアルバムだからです^^


何よりもこの曲をリード曲に持ってきたKAT-TUNの気概に拍手^^


TRIANGLE
アルバムでKAT-TUNらしい曲と言えば私にとってはこの曲とHIDE and SEEKです。アルバムで特に好きなのもこの2曲。


「なんで普通の恋が出来ないの?あなたたち(涙)」みたいな運命と罪を背負った曲きたきた!安定の激しさと身を切るような切なさ。真っ暗闇の中泥沼で抱き合う男女の姿が見えます見えます。フックの効いたサビに、絶好調に泣くギター。ためる、うねる。


田口君の耳を震わす骨に直接伝わってくるような中高音がぞくぞくします。高音ではっきりと耳に残る特徴のある亀梨君の声もやっぱり好きだな。


ART OF LIFE
上田君のソロ曲。かっこいい!メンバーのソロでは一番好きです。ボディブローいただきました!!


ずるずると引きずり込まれる重低音。トランス状態に陥りそうな落下するサウンド。に、真っ直ぐに切り込んでくる上田君の声。この歌い方すっごくいいです。直球。ゴリゴリじゃない正統派という感じで(言ってる意味が自分でもよく分かりません^^;)。


上田君は少年倶楽部プレミアムで低めに歌った歩道橋も良かったんですよねー。性格そのもののような素直でちょっと硬めの声が良くて、歩道橋という曲は苦手なんですがこのバージョンは好きでした。


ふわふわとした声も良いですが、こういった色々な声をグループの曲でも試して欲しいです。


フェイク
イントロやサビを聴くと割と王道なノリの良い曲のようですが、出だしでまずふいをつかれる手ごわい曲。え?この音で始まるの?って。つかめたと思ったらフェイントかけてくるリズム。シンプルかと思えば幾重にも重ねてくる音。


「どうだ歌えないだろう」と突き放された感じ。ファンと一緒に歌う事をまるで意識してないですね彼らは(笑)。そうこなくちゃ。


BREAK UR CAGE
なんでしょ、この秘密兵器のような曲は。クラブミュージックというよりディスコ。くるくると回るミラーボール。なイメージ。ジャズっぽい遊び心も楽しい。いつか本格的にビッグバンドをバックに歌ってくれないかなー。


一人一人の声というより声のバランスが良いですね。コーラスもノリノリで楽しい。フゥー!
退廃的な空気を纏ってルーズなダンスで踊って欲しいです。ぎらっぎらの衣装で。


Emerald
亀梨君のソロはまず踊って欲しいというのがあって(ドリボをやらなくなって本気のダンスを中々見られなくなったので)、あと亀梨君の音楽の趣味が私と合わないので、どちらに転ぶか毎回ハラハラするんですが(笑)、この曲は歴代のソロでも上位にくるくらい好きです。ダンスは、まあ踊るとしても間奏くらいでしょうかね。でもこの曲をライブで聴くのが楽しみです。


亀梨君自身の作詞。最初はもっと言葉数が多かったと本人がラジオで言ってましたが、それをあえて減らしたのが凄く良かったと思います。


キラキラとエメラルドに輝く海のように繰り返し繰り返し寄せて来るピアノの美しい旋律。その間をぬって一つ一つ繰り出させるフレーズ。亀梨君の静かな歌声。


溜息のようなかすかなハミングが、波間に消えてゆきそうなほど儚くて綺麗です。


HIDE and SEEK
この曲はアルバムで一番好きです。その次にTRIANGLE。


イントロから続くリフが不穏なナイトメア曲。私の悪夢へようこそ。見つかったら魂を抜かれる悪魔のかくれんぼ。みたいなモノクロのゴシックの世界。


空気を巻き込むストリングスとズンズンと地を這うギターが天からも地からも追い詰められているよう。一時の夢のような美しいハープ。そしてまた続く悪夢のようなリフ。


「雲間に 揺れ動く本音 隠さないで」の不思議な浮遊感。抑揚のつけ方が上手くなったなあ。



全曲の感想はやっぱり無理でした^^; ピンとこない曲もありますが、このアルバム好きです。


収録されている聖君の声のないシングル曲は色々と思うところもありますが、あまり聴いてないので感想の書きようもなく...


In Factのカップリングも素晴らしくてこれも感想を書きたいと思ってたんですけどね。アルバムが出てツアーも始まるしそんな暇ないかも^^; いつか書けたらいいなー。

「フォレストガンプ」2014.6.21 東京グローブ座

東京グローブ座フォレストガンプ


演出・上演台本 : G2
出演 : 田口淳之介 前田亜季 大高洋夫 オレノグラフィティ 藤崎卓也 鹿野真央
     横山敬 鈴木綜馬 高橋ひとみ 高嶋政宏


フォレストガンプ-2


フォレストガンプは原作を読んだ事も映画を観た事もありませんでしたが、トム・ハンクスのヒューマンドラマという漠然としたイメージだけはあったので、苦手な話かもなあと最初思っていました。


同じくG2さんと組んだ去年の舞台「NO WORDS, NO TIME」が凄く良かったので、正直こちらの再演の方が良かったなとも。


が!が!...ごめんなさい、とっても良かったです。最後泣いてしまいました私。以下ネタバレありの感想です。


劇中音楽を役者が生で演奏というものすごい試み。ハーモニカ、バイオリン、ギター、ベース、キーボード、パーカッション。


パンフレットによるとG2さんは役者に「楽譜は覚えて下さいね」と伝えたそうですが、確かに楽譜を見ながらだとあそこまで音楽が舞台に溶け込んでいなかったと思います。


生演奏の余韻のまま演技に入ったり、演じながらセットを組んでいく役者の動きも、チョコレートの包み紙を思わせるセットに貼ってある紙も、それをペリッと剥がすと場面が変わっていくところも、舞台を通して一連の流れがあり、その流れが途切れないのが演出の上手さあり、役者の力量だと思いました。


NO WORDS, NO TIMEは台詞がなく全てダンスで表現する舞台でしたが、今回は主演のフォレストが台詞の他にナレーションの役割もしていてほぼしゃべりっぱなし。「演じる」という事を微塵も意識していない、田口君のひたむきなフォレストがただただ良かったです。


キレキレのダンスを踊る人と同じ人とは思えない、長い手足をちょっと持て余したかのような、頭の中(IQが低いので)と体がちぐはぐなフォレストという人を2時間きっちり生きてました。


第一声がとても印象的で。真っ直ぐな声と真っ直ぐな眼差しが。あの一声でフォレストの夢物語のような世界にすんなり入っていけました。


フォレストの目を通したおとぎ話のようでもあるけれど、そこにはベトナム戦争という、もの凄い重い現実もあるわけで。ダン中尉の存在とかバーバとの別れとか。


どんな悲惨な現実もありのままを受け入れ、全てが通り過ぎていくフォレストの中でも、揺るぎないジェニーへの想い。


自由で奔放なジェニーですが、私には、幸せを追い求めつつ、真っ直ぐな生き方が出来ない、いつも違う方を選んでしまう不器用な女の子にも思えました。ジェニーの目にはフォレストはピュアすぎて、そばにいたい気持ちと逃げ出したい気持ちが同居してたのかなと。


「幸せ?」と聞かれて「幸せなのだと思う」と答えたジェニー。リトルフォレストを授かり、幸せのかけらを手に入れたジェニーは、ようやくフォレストとのバランスがとれ、共に生きていく決心がついたのかな。プロポーズの返事はしないまま終わりますが、そんな幸せの予感のする最後が素敵でした。


夜空にとけていくフォレストの語りが本当にしみました。遠い旅の終わりに故郷に帰ってきたかのような懐かしい柔らかい声。ここで涙がダーっと^^;


真横ではありましたが、前から2番目という近い席で観る事が出来ました。立つべき場所に立っている人ってあんなに目がキラキラ輝いているものなんですね。


全ての人にお勧めできる素晴らしい舞台でした。

ライブDVD「COUNTDOWN LIVE 2013 KAT-TUN」

EVERY WHY HAS A WHEREFORE すべてに理由がある
I CAN FLY IN DARKNES 何度も蘇ってみせるよ


up用1-4


KAT-TUNのライブDVD見ました。凄かった。


5人になった時に感じた不安定さが微塵もなく、過去曲に物足りない曲がなかったとは言いませんが、変わらないパフォーマンス力と歌唱力の向上、増えつつある声のバリエーションと可能性が感じられるライブでした。いやライブDVDでした(ライブ行ってないので)。


5人になった時がどうとかではなくて、2度目というのが悲しいかなやっぱり大きいのかなと。1度目の訳もわからず術も見つける間もなくとりあえず続けなきゃという悲壮感がないというか。あと4人になって本当に腹をくくって、補足するのではなくグループを根本から構築しなおしたんだなと感じました。あるいは構築しなおすためのライブだったのか。


以下ツイッターでつぶやいた事とかぶるところもありますが感想を。


挨拶。真面目すぎるほど真面目で嘘がつけない人達だなと改めて。そして赤西君の時に言いたくても言えなかった事が本当に辛くて引きずってたんだなと。でも感傷に逃げるわけでもなく謝罪と今の自分達の思いを誠実に語り、その件はそこで終わりにして本編に持ち込まない潔さがとても良かったです。


4人の曲で始まり6人5人時代のメドレーをこれでもかというほどやり、最後また4人の曲で終わる構成が素晴らしい。


RESCUEは赤西君と亀梨君のI don't wanna cry on〜♪がやっぱりまだ忘れらないけれども、中丸君も声がよく出るようになったなあ。Call my nameの中低音はぞくぞくほど良いです。田口君は声量は昔からあると思っていたけれど、それに見合った歌い方が完成してきたような(素人考えです)。


EXPOSEで二手に分かれたそれぞれの雰囲気が今のKAT-TUNの理想の組み合わせかもしれません。私の中で。


近寄るんじゃねえよオーラを出してるかと思えばこっち来いよと誘う男前ビッチ亀梨上田(笑)。それぞれ違う方向を向いて煽ってるのがいいな。群れを作らない豹みたい。黒豹と黄褐色に黒斑の豹。このタッチのビジュアルバランス好きです(今は亀梨君が黒髪短髪になって悲しいです涙)。


恵まれたスタイルの良さを十分活かして、並んで踊ってるだけでKAT-TUNのスケールが一気に膨れ上がるアンドロイド田口中丸。ダンスが映える事!普通に大股で歩いてるだけで目を惹くなんてずるいよ田口君。マントのように翻る衣装の動きも計算のうちですか。


後半そんな2組がステージに集結した時の無敵さは今も昔も変わりない私達のKAT-TUN


過去メドレーは、お楽しみコーナーのようでただただ楽しそう。
HELL,NOは赤西亀梨田中の印象が強いけれどそのイメージを逆手にとった上田中丸がかっこいい。ラップはなくなってしまったけどKAT-TUNに中丸君のHBBが残ってて本当に良かった。


MCが楽しすぎて。ライブの後カンチョーについて真剣に意見を言い合うKAT-TUN(とスタッフ)。
それを再現して見せるKAT-TUNしょーもない(笑)。隙あれば下ネタにもっていこうとするのも、メンバーのボケに速攻乗っかるノリの良さもいつものこと^^


FACE to FaceとConnect & Goはまだ傷が生々しくてちょっと辛いです。曲の切なさもあって。水の演出とそれに合わせた照明が綺麗。Connect & Goのイントロがいつまでも覚めない夢の中を彷徨っているみたい。頭から抜けない悪夢のよう。


カウントダウンライブなのにその瞬間何やるか全く考えてなくて、いきなりそわそわしだすKAT-TUN(考えとけよ笑)。新年を迎えてぺこぺこ挨拶しあうKAT-TUNとJrの皆さん(可愛い)。バンドやスタッフにも挨拶は忘れません^^


& FOREVERがほんと好きで。理屈抜きの懐かしさのようなものがこみ上げてきます。「孤独を知ることで光を感じられる」とかKAT-TUNすぎて。「分かりきってる 未来は必ず変えてみせる 誓う」の「誓う」の一点の曇りもない清々しさとかもね。(DVDではそこ歌っていません)


COSMIC CHILDは何と言っても市ヶ谷のダンスバトル。田口君、衣装の前を閉めてくれたら更に更にアンドロイド対決っぽくていいのにな。微笑をたたえて揺れてるタッチは清水玲子さんの漫画に出て来るセクサロイドみたい。人間の相手は出来るけど生殖能力はない、みたいな(ひどい言われ方笑)。


ブログを読んでくださってる方はほぼKAT-TUNファンだと思いますが、念の為(それ以外の方へのステマも含めて)、市ヶ谷とは田口中丸のコンビ名です。タッチは亀梨上田。ロバ丸は上田中丸。友達部は亀梨田口。爺孫は亀梨中丸。田口上田コンビは私は上田口と呼んでいますが他にもあったかな。ま、そんな感じです^^


BOUNCE GIRLは配信のみでCD発売されてないのを今でも恨んでます(涙)。非対応機器だったので音源がないんです。こんなかっこいい曲なのに。楽しい、かっこいい、楽しいのエンドレス。


そして始まるPHOENIX。紅蓮の炎に導かれるようにKAT-TUN登場。どんな儀式だよ。もうね、圧巻の一言。


火や水を操っているというより衝突を繰り返している地球誕生の瞬間のよう。マグマと水蒸気が噴き出してる異様な美しさの中、磁気を帯びて立っている4人。その気迫のこもった歌声。


亀梨君がサングラスをして威圧してるのも、上田君が狂気じみた目をして歌っているのも、田口君の静かな仁王立ちも、中丸君の悪魔のささやきも、全て、輝く事を決めた人達の圧倒的な意思の力を見せつけられているようでした。


FIRE and ICEはそうして生まれた奇跡の星、青い地球でしょうか。なんてね。水の柱の前に立つ4人はチロチロと燃える青い炎のよう。


PHOENIXとFIRE and ICEの中丸君の英語のささやきが本当にかっこいい。FIRE and ICEの田口君の天にまで届きそうなまっすぐな歌声。上田君のさっきとはうって変ってのソフトな歌声(と人間に戻った表情笑)。そしてやっぱりKAT-TUNの主軸となる亀梨君の声。


あれだけの量の水と火を使いながら演出に埋もれないKAT-TUNがやっぱりすごいなと。メンバーが浮き上がって見えますもん。


PHOENIXで生まれ変わりFIRE and ICEで完成したKAT-TUNの澄みきったBLESSはアクアリウムのよう。会場全体が水槽みたい。最初と最後の音が空気を送り込むエアポンプのポコポコいう音のようですっかり浄化された気分(笑)。ミニアルバムの時にも書きましたが、それぞれの高音のバリエーションが本当に素晴らしい。綺麗。最後定番のバラードじゃなくて良かったなあ。


アンコールの4Uは清々しいメンバーの表情が印象的で、良かったねぇ良かったねぇとしみじみと思ってしまいました。輝ける場所に居続ける難しさ、なんて事を考えながら。


そしてこれがちゃんと映像化されて良かったなあと。次は今度こそブルーレイでお願いします。
後でちょくちょく直すと思いますが、ひとまず感想はここまで。

「ハルナガニ」2014.4.26 シアタートラム

木皿泉さん脚本の舞台「ハルナガニ」を観にシアタートラムへ行ってきました。


ハルナガニ1


脚本 : 木皿泉
演出 : 内藤裕敬
原作 : 藤野千夜 小説「君のいた日々」
出演 : 薬師丸ひろ子 細田善彦 菊池亜希子 菅原大吉/渡辺いっけい


「ハルナガニ」とは
「春永に」と副詞的に用いられる「春の日の長い季節」を指す言葉。「いずれ春永に」とすると「いつか暇な時にお会いしましょう」という別れの挨拶になる。能の別れの言葉や、三島由紀夫が手紙の結びとして好んで使ったことでも知られる。

INTRODUCTION
どこにでもあるようなマンションの一室。
一年前に妻兼母の久里子を亡くして以来、春生と息子・亜土夢はこの部屋で二人暮らしらしい。
ところが、その日の夕方に久里子が普段どおり会社から帰宅する。
久里子は「一年前死んだのは春生」だと言う。
亜土夢は必死に父に母を、母に父の存在を証明しようとするが失敗。
疲れ果てた亜土夢が自室に戻ったあとは互いに「会いたいなぁ」と繰り返すばかり。
翌朝、久里子には夫婦共通の友人だった春生の会社の西沢が、春生には同じく会社の部下の三浦が訪ねてくる。


ねじれた世界。
五人の想いがすれ違う。

パンフレットの木皿さんの文章を読むと、夫婦は別の空間で生きているのか、違う空間に生きているのか、二人とももう亡くなっているのか、原作と演出家の考えと脚本家の考えは皆違うようです。


どれが本当かをはっきりさせるより、何を本当と信じたいのかという方が大事なのでは、と木皿さんはおっしゃっています。


伝言ゲームというものがあります。伝えてゆくうちに、最初と最後がなんだか不思議に違ってくるという、あれです。この芝居も、そんな感じなのではないかと思います。
原作を読んだ私たちの解釈。それを読んでさらに演出家の内藤さんの解釈が加わってゆく。今日は、そんなゲームの果てをお見せしようというわけです。


今日、芝居を観て、あなたが感じたことこそ本当のことです。それを、しっかり握りしめ、家までおっことさないよう気をつけてお帰り下さい。

と。なので私は私が感じた事が本当だと思う事にします。


私は、夫婦はどちらも(おそらく一度に)亡くなっていて、残された亜土夢を心配するあまり、それぞれ自分は生きていると思い込んで残像のように生活を続けているのかなと思いました。


春生は自分は生き残ったと思うから久里子が見えない。久里子は自分が生き残ったと思うから春生が見えない。とか。


あるいは、残された亜土夢の見ている幸せな夢なのかも。その幸せで寂しい夢に呼ばれた春生と久里子が夢に入り込み夢に住み着いているのかも。なんてちょっとセンチメンタルに飛躍してみたり(笑)。


すうねるところの時は「木皿さんだなあ」と終わってまず思いましたが、今回は「舞台だなあ」と強く思いました。すうねるところに比べてより舞台らしい空間の使い方をされたのかな、舞台での自由を手に入れたのかな、なんて素人なりに思いました。


春生が久里子の貼っていた湿布を「久里子さんの皮膚」と言った時、亜土夢と一緒に私もぎょっとしました。


これ多分映像で見たらコミカルなリアクションに笑っていたと思うんですよね。それが生の舞台だとダイレクトに物の質感が伝わってくる。その生々しさ。


映像だと映像ならではの演出が楽しめるわけですが。生の舞台を観る機会があまりないので、改めてその違いが面白いなと思ったり。


見えている者見えていない者含めそこに存在するすべての者が食卓について食べるのが手巻き寿司というのが、また切ない気分になりました。それぞれの思いが交錯して全然通じ合っていないのに、食べているのが幸せな家族の象徴のような手巻き寿司。


薬師丸ひろ子さんの久里子は今回も可愛らしくて、でもすうねるところでは年齢不詳の可愛らしさだったのが、今回はちゃんと「母」であり「妻」でした。春生が久里子を思って泣くのがとっても分かります。


渡辺いっけいさんの春生は、久里子を思って歌うところも、湿布を貼るところも、棒で天を突くところも、笑えるところなんですが、コミカルな動きが体全体で「寂しい寂しい」と言っているようで笑いながら切なくなってしまいました。


亜土夢は複雑な役だと思いますが、細田善彦君は淡々と観察しているようで段々と混乱していく様子が丁寧で良かったです。他の役はどんな感じなんだろうとちょっと見てみたくなりました。


最後時間が遡り、赤ちゃんの亜土夢と春生と久里子の他愛もないやりとりが続きます。それを照明の当たっていない食卓について見ている西沢と三浦の二人は私たち観客と同じ目線なのでしょうか。


確かに日常の一部だった、今はもうない幻のような家族の光景は、誰もが持っている懐かしい心象風景のようでした。古い8ミリのカタカタという音がしそうな映像。いつまでも頭から抜けない。それを見ている二人(と私たち観客)。


三浦の見た二つの人影はやっぱり春生と久里子だったんでしょうね。私も三浦と同じようにあの家に住みたいな
と思いました。そんな静かな余韻の残る舞台でした。




−追記−
今年の3月8日に放送された木皿泉さん脚本のラジオドラマ「どこかで家族」が第51回ギャラクシー賞ラジオ部門に入賞されました。おめでとうございます.:*・゜
最終選考の結果は、6月4日(水)開催『第51回ギャラクシー賞贈賞式』で発表とのことです。大賞とれるといいな^^


FMシアター「どこかで家族」


第51回ギャラクシー賞入賞作品一覧